「ポールスミス」と検索すると、予測変換に「恥ずかしい」「何歳まで」「ダサい」といった言葉が出てきて、不安になったことはありませんか？

特に30代、40代となり、役職がついたり落ち着いた服装を求められる年代になると、「学生時代のブランドをまだ使っていていいのか？」と迷うのは当然のことです。

こんにちは。百貨店のメンズフロアで15年間、数えきれないほどの財布やスーツをご提案してきたfukushigeです。

結論から申し上げます。ポールスミスを大人が持つことは、決して恥ずかしくありません。

むしろ、選び方さえ間違えなければ、ハイブランドで固めるよりも「遊び心のある知的な大人」を演出できる、非常に優秀なブランドです。なぜ「恥ずかしい」と言われるのか、その誤解を解きつつ、大人が選ぶべき“正解”のアイテムをプロの視点で解説します。

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「ポールスミスは恥ずかしい」と言われる3つの理由と誤解

そもそも、なぜこれほど人気のあるブランドにネガティブな検索ワードがつくのでしょうか。現場でお客様の声を聞いてきた私が分析すると、理由は大きく3つに分類されます。そして、その多くは「誤解」です。

誤解①：「大学生の財布」というイメージが強すぎる

※この画像はAI生成によるイメージです。
ブランド公式の画像ではありません。

これが最大の理由です。ポールスミスの財布や小物は、価格帯（2〜3万円台）が手頃でデザインもキャッチーなため、大学生や新社会人の「初めてのブランド」として圧倒的な人気を誇ります。

その結果、「ポールスミス＝若い子のブランド」というイメージが定着し、30代以降の男性が持つと「学生気分が抜けていないのでは？」と不安になってしまうのです。しかし、これは日本独自の現象であり、本国イギリスでは幅広い紳士に愛される格式あるブランドです。

誤解②：派手なストライプ柄が「子供っぽい」？

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ブランドの代名詞である「マルチストライプ」。このカラフルな柄が全面に出ているアイテムは、確かにビジネスシーンでは少し主張が強すぎることがあります。

しかし、ポールスミスの真骨頂は「Classic with a twist（ひねりのあるクラシック）」。外側は極めてシンプルで、内側やステッチだけに色を効かせた「大人向けライン」こそが、ブランドの本質なのです。

誤解③：ライセンス商品とインポート商品の混同

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日本で流通しているポールスミスには、日本の企業が企画・生産する「ライセンス商品」と、本国イギリスのデザインをそのまま輸入した「インポート商品」があります。

安価なライセンス商品の一部が量販的に見えてしまうことがありますが、百貨店で扱うメインラインやスーツの仕立ては非常に上質で、決して「恥ずかしい」品質ではありません。

【年齢別】元百貨店員が教える「痛くない」ポールスミスの選び方

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「何歳まで使えるか」という問いへの答えは、「選び方次第で一生使える」です。年齢に合わせた最適なラインを選ぶことで、周囲からの印象は劇的に変わります。

20代：個性を楽しむ「マルチストライプ」

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若いうちは、ブランドの象徴であるマルチストライプを前面に出したデザインでも全く問題ありません。名刺入れやキーケースなど、小物で色を取り入れることで、フレッシュで快活な印象を与えられます。

【20代におすすめ】鮮やかな色使いで、フレッシュな個性を際立たせる「マルチストライプ」シリーズ

卒業祝いや就職祝いといった門出のギフトにも最適です。

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30代：内側に遊び心を隠す「インサイドカラー」

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中堅社員となり、落ち着きが求められる30代。おすすめは、「外側は黒やネイビーの単色、開くとアクセントカラーが見える」タイプです。

私が接客した30代のお客様の多くは、「仕事中は真面目に見せたいけど、小物で少しだけ遊びたい」という理由でこのタイプを選ばれます。チラッと見える色が、センスの良さを無言で語ってくれます。

筆者私物： 落ち着いた黒レザーにマルチカラーステッチを効かせた、大人のポールスミス長財布。「外側はシンプル、内側に遊び心」という大人の鉄則を体現する、筆者が愛用しているモデルです。

【30代におすすめ】傷に強く、チラ見せストライプが上品な「ジップストローグレイン」

ビジネスにもカジュアルにも馴染む、大人のためのスタンダードモデルです。

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40代・50代：素材で魅せる「コードバン・ブライドルレザー」

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役職につくこの世代には、デザインよりも「素材の質」で勝負するアイテムが似合います。ポールスミスには、高級馬革のコードバンや、堅牢なブライドルレザーを使用したハイエンドなシリーズがあります。

ロゴも刻印のみで控えめなものを選べば、決して「若作り」には見えません。むしろ、「良いものを長く使う」という大人の余裕を感じさせます。

【40代〜におすすめ】圧倒的な高級感。「コードバン」シリーズ

使い込むほどに美しい艶が出る最高級レザー。ロゴに頼らない、本物の質感を求める方に。

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百貨店で見た「ポールスミスを選ぶ大人たち」のリアル

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「実際に大人は買っているの？」という疑問にお答えします。私が売場で見てきた光景は、ネットの評判とは全く異なるものでした。

• スーツの裏地で遊ぶ経営者：表地は最高級の英国生地、裏地にはポールスミスらしい花柄や写真をプリントしたオーダースーツを注文される50代のお客様。
• ネクタイで会話を弾ませる営業マン：一見普通のドット柄に見えて、よく見ると小さなウサギや自転車が隠れているネクタイ。「これ、実はポールスミスなんです」という会話が、商談のアイスブレイクになるとおっしゃっていました。
• ギフトに選ぶ奥様：「夫にはいつまでも若々しくいてほしいから」と、あえて少し明るい色のマフラーやポロシャツを選ばれる40代の女性。

彼らに共通するのは、ブランドネームでマウントを取るのではなく、「ファッションを楽しんでいる」という姿勢です。それこそが、ポールスミスの最大の魅力なのです。

まとめ：ポールスミスは、大人の「余裕」を表現するツール

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ポールスミスを「恥ずかしい」と恐れる必要はありません。もしあなたが30代、40代でポールスミスを使いたいなら、以下のポイントだけ押さえてください。

このルールさえ守れば、ポールスミスはあなたの日常に彩りとユーモアを与えてくれる、最高の相棒になります。

年齢を気にして好きなものを諦めるよりも、自分の年齢に合わせて使いこなす。それこそが、本当の意味での「大人のお洒落」ではないでしょうか。